若年層がもっとも良く利用する動画サイトは「YouTube」、でも動画サイトそのものを観ない人も4割ほどに

2009/11/12 17:30

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YouTubeイメージBPO(放送倫理・番組向上機構)は2009年10月23日、報告書「“デジタルネイティブ”はテレビをどう見ているか?-番組視聴実態300人調査」を公式ウェブ上に掲載した。それによると同調査母体(若年層)においては、もっともよく利用する動画関連サイトは「YouTube」で、それに「ニコニコ動画」「Yahoo!動画」が続いていることが分かった。一方で「動画配信サイトをほとんど利用しない」人は2/3、「動画投稿サイトをほとんど利用しない」人は4割近くに達するなど、動画関連サイトは(若年層においてですら)まだこれから伸びる「伸びしろ」が十分以上にあることがうかがえる(該当資料は【こちら】に掲載)。


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今調査は2008年11月10日から11月16日までの間に、専門調査員による訪問留置調査方式で行われたもので、有効回答数は311。16歳から24歳の東京都内に住む男女を対象としており、年齢階層は非公開。職業別階層では高校生114・大学生92・社会人59・パートやアルバイト24など。資料タイトルにもあるように、若年層を対象とした結果であることに留意する必要がある。

動画を不特定多数に配信するサイト・サービスのうち、管理側が一方的に配信するサービス「動画配信サイト」と、利用者も動画を投稿できる「動画投稿サイト」に区分し、それぞれについて「月1回以上観るか否か」を複数回答形式で尋ねたところ、もっとも多く利用されているサービスは「YouTube」だった。今調査母体の若年層においては、6割近くの人が使っていることになる(元資料では「配信」「投稿」別個に設定されているが、それぞれ複数回答形式なのでまとめても問題無しと判断し、一つのグラフにしてある)。

月に1回以上見る動画配信・投稿サイト
月に1回以上見る動画配信・投稿サイト

一方的に動画を配信する動画配信サイトは、投稿サイトと比べると視聴度合いが低い。これはコンテンツの量とバラエティ度の違いからくるものだろう。観る側にしてみれば、素人のだろうと玄人のだろうと、面白く、自分が観たい動画であれば構わないわけだ。特に「動画配信サイトは月に1度も利用しない」人が2/3に達しているあたり、動画投稿サイトに(視聴率・数の面では)かなりの遅れをとっていると考えられる。

動画投稿サイトを利用する
若年層の96.2%
YouTubeを利用している
動画投稿サイトでは圧倒的にYouTubeが多く、ニコニコ動画がそれに次いでいる。元資料ではVeoh以外にいくつかの類似サイトが掲載されていたが、どこも似たような数字なので今グラフでは省略させていただいた。ともあれ、動画投稿サイトではこの2強がほぼ寡占状態を築いているとみなしても良い。そして「動画投稿サイトはあまり利用しない」層が38.7%であることを考えると、「動画投稿サイトを利用する人のほぼすべて(100%-38.7%=61.3%と、YouTube利用者の59.0%を比較)がYouTubeを利用している」ということになる。

これを属性別にみると、興味深い傾向を確認することができる。

月に1回以上見る動画配信・投稿サイト(属性別)
月に1回以上見る動画配信・投稿サイト(属性別)

・「ニコニコ動画」は男性の人気が高い
・大学生は配信、投稿共に動画サイトを非常に良く好む
・学生から社会人になると、動画投稿サイトの利用率がグンと減る

特に社会人になると配信・投稿を問わずに動画サイト離れが起きているのが注目に値する。それだけ自由時間が少なくなり、動画にかまけている暇が無くなっているのだろう。

【中高年はブログへ、若年層はツイッターへ!?】でも紹介している、世界のブログ事情を示したState of the Blogosphere 2009でも、動画はブログの表現手法として重要なものとなりつつある。インターネットにおいて動画は観る者に与える印象度合いが極めて大きいからに他ならない。

元資料ではデータ上からは「動画投稿サイトを観ていると、テレビ視聴時間がその分短くなる」「動画投稿サイトがテレビにとって(視聴時間の上で)敵対すべき勢力である」との結果は得られなかったと結論づけている。むしろ視聴を助長する役割を果たす面もある、との主旨のコメントも見受けられる。法令上・ビジネスモデル上の問題など、越えるべきハードルはまだまだ多いが、少なくとも若年層の多くで視聴されているという現実を元に、色々と検討すべき対象ではあるはずだ。

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