広告主からの「Wiiの間」の評価、「ネットとテレビの間にある、不思議なメディア」

2009/11/09 12:10

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「Wiiの間」イメージ[任天堂(7974)]は2009年10月30日に開催された2010年3月期第2四半期決算・経営方針説明会の関連資料を公開した。それによると、同社が発売している据え置き型家庭用ゲーム機『Wii(ウィ―)』上で、任天堂と[電通(4324)]が共同して運営している動画配信サービス【Wiiの間】について、広告出稿主側からは「インターネット広告とテレビ広告の間にあるような、不思議なメディアである」という感想を受けていることが分かった(【該当リリース(説明会の質疑応答)】)。


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「Wiiの間」。アメリカの人が収録した動画だが、コメントを見る限り評価は高い。
「Wiiの間」。アメリカの人が収録した動画だが、コメントを見る限り評価は高い。

「Wiiの間」とは任天堂と電通が共同で運営している、Wii向けの動画配信サービス及びそのサービスを利用するためのWiiチャンネル。インターネットに接続しているWiiを持つ人は、「Wiiショッピングチャンネル」内の「Wiiチャンネル」からダウンロードすることで利用ができる。自分の家に色々な番組制作者や関係者が現れ、お勧めの情報や動画(多くはオリジナルコンテンツ)を教えてくれる。将来的には有料コンテンツも配信される予定。また、DSi用「どこでもWiiの間」があれば、気に行った番組をDSiに落とし込んで、持ち歩いて閲覧することもできる。

Wiiが元々インターネットへのブラウジング機能を兼ね備えていることから、広告主のサイトへのリンクが設定できたり、動画視聴後の投票機能もある。これらの点から、ある意味「インタラクティブなテレビ」の先駆けともいえる仕様を備えており、注目すべき点は多い。

「Wiiの間」について説明会の質疑応答で「広告主や番組制作者からどのような評価を受けているか」を尋ねられた、任天堂・岩田社長の回答が上記議事録で確認できる。概要をまとめると、

制作側
・動画配信後の投票で属性毎の視聴者の反応が分かり、そのデータが映像制作側に行く。これは「ものすごく強力な刺激」と受け止められている。作った人はお客の反応を知りたい。その情報がクリエイティブの質を高めることにつながると考えている。
・一方で「そんなものはけしからん」と反応する制作側もいる。

広告主側
・「インターネット広告とテレビ広告の間にあるような、不思議なメディアである」
・「『仮説の検証装置』として非常に面白い特徴を持っている」。色々な実験を短期間で検証できる。今までのネットでの方法よりも反応がダイレクトで面白い、という広告主もいる。

任天堂側
・景気が悪い時にスタートしたのはちょっと気の毒(広告費を絞る関連で「新しい事は凍結」とされてしまう。新事業なので費用対効果が説明できない)。
・「『仮説検証装置』としての可能性というのは、今までのメディアにない可能性として、手ごたえを感じ」ている。

動画に対する評価
動画を観た後に評価もできる。
これが制作者側に届く。
「Wiiの間」の利用者数がどれくらいかは公開されていないが、【NIKKEI BP】によれば2009年10月27日に開催された日本民間放送連盟主催の第57回民間放送全国大会の講演の中で、同年10月26日時点で利用者が93万世帯・248万人であるとのこと。これらのうちどれくらいの人が各番組を見て、リアクションをしたかは不明。何らかの形で公開してくれると、「Wiiの間」の可能性について検証ができるのだが。

メディアの進化という形では、テレビはインターネットに追いつこうとし、インターネットはテレビを取り込もうとしている。「Wiiの間」は岩田社長の言にもあるように、まさに「ネットとテレビの間にある、不思議なメディア」としてその存在感を大きくしようと、色々と考えているのかもしれない。


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