諸外国の人たちが「信頼している・していない」組織・制度ランキングを表にしてみる(2010-2014年)(最新)

2014/11/16 14:03

先に【諸外国の人たちがどんな組織・制度に信頼を寄せているかをグラフ化してみる】など何回かに渡り、【World Values Survey(世界価値観調査)】の公開値を基に、諸外国の「組織・制度に対する信頼度」の動向を探るためのグラフを作成し、その実情を精査した。一通りの国々の動向は確認できたので、今回はそれらを元に表やグラフを新たに生成し、検証を行うことにする。具体的には「信頼度の合計」と「信頼度上位・下位ランキング表」の図版の作成を介し、各国の信頼に対する思惑の違いを見ていく次第である。

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信頼度合いの大きい中国、疑心暗鬼なスペインやエジプト


今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項、信頼度の算出方法などは先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】を参考のこと。

これまでの記事で当サイトにおける独自計算方法を用い、主要国における各組織・制度の信頼度を算出した。そこでまずは、それら信頼度を単純にすべて足し、主要組織や制度全体に、言い換えれば社会全体に対し、どの程度の信頼を寄せているのかを、相対的にではあるが確認する。

↑ 各国信頼度の合計(2010-2014年)
↑ 各国信頼度の合計(2010-2014年)

世の中には多種多様な組織・制度があり、今回の調査対象はその一部に過ぎない。その一部だけに対する信頼度を累計しても、社会全体への信服とはずれが生じる可能性はあるが、それでもなおそれぞれの国の算出結果を見ると、大まかにではあるが国の実情が透けて見える。

スペインとエジプトがとりわけ大きなマイナス値を示しているのは、先の記事で個々説明の通り、それぞれの国で情勢が悪化する事態が進行中だったのが主要因。スペインは欧州債務危機で経済的に極めて困窮し、社会秩序への不信が高まりを見せていたこと、そしてエジプトは「ジャスミン革命」の影響を受けて内紛が生じている中での結果によるもの。

また、アメリカ合衆国に代表されるように、全般的に個人の自立感(良く表現すれば個人の主体性、悪く言えば唯我独尊)が強い・強く振る舞える国ほどマイナス値が大きくなる傾向がある。その観点では中国が他国を大きく抜きんでる形でプラスを示しているのも納得はいく。

信頼度の上位陣・下位陣を表組化する


続いてこれまでの集計結果を元に、各国の組織・制度に対する上位・下位3位をリストアップする。色が濃い方が順位が高い。なお、国の並びは信頼度合計の高い順となっている。

↑ 各国の信頼度上位3位(2010-2014年)
↑ 各国の信頼度上位3位(2010-2014年)

↑ 各国の信頼度下位3位(2010-2014年)
↑ 各国の信頼度下位3位(2010-2014年)

まず目に留まるのは「国軍」「警察」への信頼度が高い国が多い事。そして「国軍」がトップ3に入っていない国では、その多くで「大学」がトップ3に入っている。国家の実力行使組織への反発感が、そのまま自由自治的な場の代表であり、未来を担いうる人たちの通う場への期待と信頼につながっているのかもしれない。また「宗教団体」がロシア、ウクライナ、そしてエジプトでトップについていることや、日本における「新聞・雑誌」、中国における「政府」のトップ3入りが稀有な事例であることも分かる。

また、下位一覧では、「政党」「国会」など政治関連の機関への信頼度の低さが万国共通であることが分かる(その意味では中国はやはり特殊事例)。また、日本や中国における「宗教団体」への嫌悪感が、むしろ世界全体では稀なパターンであることも見て取れる。



このように色々な角度から各国組織・制度への国民の信頼度を確認したが、、元々「世界価値観調査」からの数字であることから、個々の国の価値観が色濃くにじみでている結果となっている。計測時期は2010-2014年だが、実際の調査は国々で数年の違いがあり、また現時点とも差異が生じている可能性は多分にあるが(例えばウクライナやエジプト)、根底に流れる意識にそう大きな違いは無いだろう。

各国の動向を見る際に、このような「国の価値観」を認識した上でチェックをすると、これまでとは違った視点で物事を考えられるようになるかもしれない。


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