2009年11月09日
諸外国の人たちが「信頼している・していない」組織・制度ランキングを表にしてみる
先に【諸外国の人たちがどんな組織・制度に信頼を寄せているかをグラフ化してみる】など何回かに渡り、諸外国の「組織・制度に対する信頼度」のグラフ解説を行った。一通りの国々のデータは出そろったので、今回はそれらのデータを元に表やグラフを新たに生成し、検証をしてみることにした。具体的には「信頼度の合計」と「信頼度上位・下位ランキング表」の図版の作成である。今調査結果(【世界主要国価値観データブック】の元データ)は世界数十か国(80か国以上)が参加して実施している国際プロジェクト「世界価値観調査」によるもの。各国・地域毎に全国の18歳以上男女1000サンプル程度(実際には1000〜2000人程度)の回収を基本とした個人対象の意識調査。調査そのものは2005〜2006年にかけて行われており、該当冊子は先行して集計が終わった25か国分のデータが収録されている。
これまでの記事で当方の独自計算方法により、主要国における各組織・制度の信頼度が算出された。そこでまずは、それら信頼度を単純にすべて足してみることにした。

各国信頼度の合計
世の中には多種多様な組織・制度があり、今回の調査対象となったものはその一部に過ぎない。その一部だけに対する信頼度を累計しても大きな意味は無いように思えるが、それぞれの国の算出結果を見ると、逆にその数値が示すものが見えてくる。
ドイツがとりわけマイナス値が大きいのは、先の記事でも説明したように総選挙を挟んだ集計となったため。公的機関・組織への不信感が募っており、これがデータにも表れる結果となった。また、全般的に個人の自立感(良く表現すれば個人の主体性、悪く言えば唯我独尊)が強い・強く振る舞える国ほどマイナス値が大きくなる傾向があるように見える。
続いてこれまでの集計結果を元に、各国の組織・制度に対する上位・下位3位をリストアップしてみる。なお、国の並びは新聞・雑誌の信頼度の高い順。

各国の信頼度上位3位

各国の信頼度下位3位
まず気がつくのは、「軍隊」「警察」への信頼度が高い国が多い事。そして「軍隊」がトップ3に入っていない国では、その多くが「裁判所」がトップ3に入っている。その観点ではイタリアはやや特殊な事例かもしれない。また、「宗教団体」がロシア・アメリカ、そしてイタリアでトップ3に入っていることや、日本における「新聞・雑誌」、中国における「国会」のトップ3入りが稀有な事例であることも分かる。
また、下位一覧では、「政党」「政府」「国会」など行政・立法機関への信頼度の低さが万国共通であることが分かる(その意味では中国はやはり特殊事例)。また、西欧先進諸国では「新聞・雑誌」「テレビ」への信頼度が低い事、日本や中国における「宗教団体」への嫌悪感が、むしろ世界全体では稀なパターンであることも見て取れる。
このように色々な角度から各国組織・制度への国民の信頼度を見てみたが、元々「”価値観”データブック」からの数字であるがだけに、個々の国の価値観が色濃くにじみでている結果となっている。計測時の2005年からの4年あまりの間に、各国の価値観が少なからぬ変化している可能性は否定できないが、根底に流れる意識にそう大きな違いは無いだろう。
各国の動向を見る際に、このような「国事情」というよりは「国の価値観」を認識した上でチェックをすると、これまでとは違った視点で物事を考えられるようになるかもしれない。
これらの書籍が参考になります
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