諸外国の人たちがどんな組織・制度に信頼を寄せているかをグラフ化してみる(番外編その2)……ドイツとロシア、スペイン(2010-2014年)(最新)

2014/11/16 10:01

先行記事【スウェーデンとウクライナ、エジプト…諸外国の人たちがどんな組織・制度に信頼を寄せているかをグラフ化してみる(番外編)】【World Values Survey(世界価値観調査)】の公開値を元に、諸外国の「組織・制度に対する信頼度」の動向確認の補てん版的な解説を行った。今回はそれに類する形で、やはりヨーロッパ方面のうち大国と呼ばれる国々にスポットライトをあてて、状況を見ていくことにする。具体的にはドイツ、ロシア、スペインの3か国である。

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今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項、信頼度の算出方法などは先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】を参考のこと。今回は冒頭の通り、ヨーロッパ方面で大国として扱われることの多い国のうち、ドイツとロシア、スペインを対象とする。以前の類似記事では同じヨーロッパ諸国としてフランスやイタリア、そしてイギリスなども取り上げていたが、それらの国は最新版2010-2014年版では、現時点でデータが公開されていない。現在調査・精査中なのか、あるいは調査そのものが行われていないのかは不明だが、いずれにしても公開値が無ければ確認は出来ない。

ともあれ、まずはロシアから。2013年の調査結果。

↑ ロシアにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)
↑ ロシアにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)

ロシアは元々宗教色が強めの国で、ソビエト共産党時代には抑圧されていた状態にあった。そのソ連体制が瓦解したことによる反動が、現在にも続いている感はある。また各種「●×団体」がすべてプラスなのは奇しくもアメリカと似通った流れであり興味深い。一方で「警察」と「国軍」、二つの「公的実力行使組織」への信頼度がここまで差を見せている国も珍しい。「国軍」の信頼度は「宗教団体」に次ぐ高い値であるのに対し、「警察」は「政党」に次ぐ低さを示している。また、「裁判所」への信頼度が低いのも特筆すべき状況で、他の国ではあまり見られない。

メディアへの信頼度も低い。「テレビ」はもとより「新聞・雑誌」のそれは「警察」に次ぐ低さを示している。

続いてドイツ。経済の堅実さではヨーロッパ諸国の中で群を抜いている。2013年の調査結果であるため、現状に近しい結果と評価できる。

↑ ドイツにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)
↑ ドイツにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)

ドイツもロシア同様「●×団体」への信頼が厚い。特に「慈善団体」は「警察」「大学」に次ぐもので、「裁判所」すら抜いている。ただし「宗教団体」は別で、非常に低い値を示している。また順位こそ離れているが「警察」「国軍」に対する信頼度も高く、こちらはロシアとは相反する動きではある。

他方「政党」に対するマイナス幅が非常に大きいのも特徴的。「行政」はプラス、「政府」「国会」はマイナスだがその振れ幅は最小限に留まっているのに対し、「大企業」「銀行」と並びマイナス50%に迫る勢いを示している。利己主義的に走るようなイメージが持たれているのかもしれない。

最後はスペイン。数年前の欧州債務危機ではギリシャと並び注目を集め、日本でも日々経済関連の報道がなされていたことで知られているが、人々の信頼はどのような組織に寄せられているのだろうか。調査期間は2011年。まさに経済危機真っただ中。

↑ スペインにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)
↑ スペインにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)

プラス領域にある項目が少なく、またマイナスの項目の幅が大きい。経済不振は人々に社会全体への不信感を植え付けた感はある。このような動きは先行記事で挙げた中では、騒乱状態にあるエジプトで見られており、納得させられる。

数少ない信頼を勝ち得ている組織は「大学」「慈善団体」「警察」「環境保護団体」そして「国軍」。先進国では信頼が得られにくいメディアや政府機関はもとより、「宗教団体」まで大きくマイナス値が出てしまっている。



スペインの結果は経済不安が極度な状況の中での調査なため、いくぶん仕方がない点もあるが、それにしても社会への不信感の強さには注目せざるを得ない。次回調査では少しでも信頼が回復していることを祈りたい。

また、いずれの国でも「テレビ」「新聞・雑誌」がマイナスであること、「-団体」に代表される民間集合体への信頼度が比較的高い傾向には注目したいところ。社会がある程度成熟してくると、このような動きを示すのだろうか。

これらのデータの次の更新は5年後の2015-2019年分、余裕をもって考慮すると精査は2020年あたりに行うことになる。人々の価値観がどのように変化したのかを考えると、今から楽しみな話に違いない。


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