スウェーデンとウクライナ、エジプト…諸外国の人たちがどんな組織・制度に信頼を寄せているかをグラフ化してみる(番外編)(2010-2014年)(最新)

2014/11/14 15:12

先に【諸外国の人たちがどんな組織・制度に信頼を寄せているかをグラフ化してみる】などで【World Values Survey(世界価値観調査)】の公開値を元に、諸外国の「組織・制度に対する信頼度」のグラフ作成とその内容の解説をしたところ、該当する国以外にも普段ニュースなどで取り上げられている国について、その状況をチェックしたいとの問い合わせをいくつかいただいた。そこで今回は該当記事で対象にした国以外で、最近見聞きする機会が多い国のうち、ヨーロッパ周辺に位置する国を3つほど抽出し、その動向を確認することにした。

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今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項、信頼度の算出方法などは先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】を参考のこと。今回はスウェーデン、ウクライナ、そしてエジプトにスポットライトを当てる。

まずは開放的なお国柄と福祉国家として知られる一方、最近ではその仕組みのひずみが次々に露呈し、福祉の問題を再確認させられる事例としても知られるようになったスウェーデン。調査そのものは2011年に実施されている。

↑ スウェーデンにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)
↑ スウェーデンにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)

「大学」に対する信頼が極めて高く、7割を超えている。また「公的実力行使組織」のうち「警察」に対する信頼度が極めて高い一方、「国軍」に対する値はわずかなプラスに留まっている。ここまで大きな差異が生じるのは珍しい。さらに「環境保護団体」「女性団体」といった市民運動に対する信頼度も高め。

「国会」「行政」に対する信頼度が高いのも特徴の一つで、秩序だった社会の中で市民独自の自己主張も平然と行われている雰囲気が見受けられる(2011年当時の話であることに注意)。全体的にマイナス値を示す対象が少ないのもポイント。

一方でメディアや「政党」への信頼度は低め。「政府」や「行政」へは信頼がそれなりに置かれているのに、「政党」への信頼が今一つなのも、スウェーデンの特徴の一つ(大抵は国会・行政・政府・政党のセットで低めの値が出る)

続いて国内の分裂騒動に絡み東西大国(勢力)の綱引きに巻き込まれている感も強い、そして今なお紛争が続いているウクライナ。ただし調査実施時期は2011年で、親露派のヤヌコーヴィチ政権による施政が行われている状況のもの。内紛はまだ起きていない。

↑ ウクライナにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)
↑ ウクライナにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)

ウクライナもスウェーデン同様、「大学」に対する信頼度が高い。一方でスウェーデンではあまり信頼されていなかった「宗教団体」がもっとも高い値を示している。

「公的実力行使組織」のうち「国軍」への信頼が厚い一方で、「警察」にはあまり信頼を寄せていないのも特徴的。さらにメディアへはある程度の信頼を与えているものの、行政一般には概して不信感を抱いており、もっとも高い値を示す「行政」でもマイナス11.2%でしかない。また全般的にマイナス値が多く、信頼が出来る組織・団体が限られているのも特徴的。

最後はエジプト。こちらはちょうど調査期間に内紛が生じており、微妙な時期(2012年)の調査となってしまっている。

↑ エジプトにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)
↑ エジプトにおける組織・制度への信頼度(2010-2014年)(非常に信頼・やや信頼−あまり信頼しない・全く信頼しない)

エジプトは地中海湾岸諸国に吹き荒れたジャスミン革命の余波を受ける形で2011年に大規模な民主化を求めるデモが起き、同年に大統領の辞任、エジプト軍最高評議会への全権委譲、同年から翌2012年にかけて人民議会選挙と大統領選挙が実施されている。その後2012年末から2013年にかけて新憲法の制定をめぐるデモや暴動が頻発しており、そのような混乱のさなかでの調査となった。そのためか「国軍」の位置づけが難しいとの判断から同項目は調査対象外として回答値が無く、グラフでも「無設問」として表記した。

状況が状況なだけに、「宗教団体」への回答値がやや高めな以外は、押し並べて低めな値に留まっており、行政機関への信頼度も低い。また半ば放置と受け止められても仕方のない対応が成されたため、「国連」の信頼度が思いっきりマイナスに振れているのも特徴的である。一方で「テレビ」の値がやや高めなのが目に留まる。数少ない情報の取得ツールとして重宝されているものと考えられる。



「最近見聞きする機会が多い国」として3か国を挙げたが、ウクライナは紛争突入前、エジプトは真っただ中ということもあり、それぞれ特徴的な値が示されてしまっている。次回の調査、恐らくはそれぞれ5年後において、少しでも良い方向に事態が動き、信頼度が回復してくれることを祈りたいものだ。国政が安定化し、信頼に足る施策が行われれば、それなりに値は回復に至るはず、ではあるのだが。


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