職場や学校の混乱の押しつけ・マスコミの扇動……医療機関が感じる新型インフル患者の特徴

2009/10/27 12:10

診断イメージ病院検索サイトQLifeを運営するキューライフは2009年10月26日、新型インフルエンザの流行が医療機関の現場に及ぼす影響について、現場となる内科の医師に対して行ったアンケート調査の結果を発表した。それによると、新型インフルエンザの患者の行動様式について、季節性インフルエンザのそれと比較した場合、異なる特徴のトップとしては「過剰に心配・恐怖している」がついた。該当医師の5人に1人がそのように回答している。概要的には「学校や職場など、他の社会集合体における混乱が医療機関に丸投げされている」「マスコミの偏向報道で患者も現場も混乱している」などの意見が多く見受けられている(【発表リリース】)。

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今調査は2009年10月20日-23日の間にインターネット経由で内科医師に対して行われたもので、有効回答数は300人。男女比は84対16で、日本の医師数における男女比とほぼ同じ。年齢階層比は40代42.4%・30代26.0%・50代24.6%などで、日本の医師数比率と比べると40代の割合が多く、20代・60代以降が少なめとなっている。

調査母体の内科医師に、新型インフルエンザの患者について去年の季節性インフルエンザの患者と比較した時の特徴を、自由に記載してもらった。その記載内容から特徴的項目を該当する医師毎にカウントして、回答率を算出したグラフが次の図。例えば「過剰に心配・恐怖している」なら全医師の2割がコメントに何らかの形で、患者の過剰心配・恐怖について語っていることになる(もちろん複数回答)。

新型インフルの患者さんの「意識/知識/要求/態度/質問」について、昨年の季節性インフルの患者さんと比べて、何か異なる特徴は?
新型インフルの患者さんの「意識/知識/要求/態度/質問」について、昨年の季節性インフルの患者さんと比べて、何か異なる特徴は?

トップはもちろんだが、「軽症でも受診」「検査希望が多い」など、内科医師の作業・負荷増加を必要とする項目が多く、単純な診察・発生者数増加以上に医療機関の現場が混雑し、負荷が増加している様子が分かる。

また、全体、及び具体的コメントを眺めると

・学校や職場などの社会集合帯の混乱、意思決定力不足が医療機関に丸投げされている
・マスコミの偏向報道や誤情報で患者も現場も混乱している

の2大要素が浮かび上がってくる。具体例としては

社会集合体からの丸投げ
「学校で微熱が出ただけで検査をしてくるよう言われた例が多数みられる」
「インフルエンザではないことの証明を会社、学校から求められている人が多い」
「会社の同僚にでただけで、インフルエンザの検査を希望したり、いつから発熱したか、わからないまま検査を希望したり、治癒した証明書を希望する社会人が多い」

マスコミの偏向報道や誤情報
「マスコミがワクチンワクチンと大騒ぎするので、ワクチンをすればかからないような錯覚に陥っている。確かに死亡者が出ているが、マスコミが一般人を怖がらせるような報道ばかりしているせいだと思う」
「マスコミの間違った情報に踊らされている。現在のマスコミ報道はあおっているだけであり風評被害を受けていると実感している。間違った知識を正して冷静な行動をとっていただくために、医師はいつもの数倍の労力を要している」
「国の広報よりも、メディアのセンセーショナルな報道に振り回されている」

などが挙げられる(詳細は各自ご確認のほどを)。

仕方がないのか、そうでないのか
「社会集合体からの丸投げ」はある程度は仕方のない話かもしれない。専門知識を持っているわけではなく、厚生労働省などのガイドラインでも「疑わしきは連絡を」との言及が随所に見られるからだ(とはいえ「濃厚接触者に自宅待機を指示するとインフルエンザ休暇や収入の保証を求める人もいる」というコメントもあることからも分かるように、大人の対応が求められるのは言うまでも無い)。

一方マスコミの偏向報道などについてだが、【マスコミ自らがあおる「風評」の被害を景気ウォッチャー調査から調べてみる(3)……「なぜか」を考え、「何を示しているのか」を推測してみる】【最近ストップ安が目立つのはなぜだろう】でも説明しているように、「ポジティブな情報はいくら影響を及ぼしても自分の資産や命に傷をつけることはないが、ネガティブな情報は生存権すら奪いかねない内容を含んでいる。言葉通り生死に関わるため」、人は大きなインパクトを受け、真剣になって耳を傾ける。その性質を半ば悪用し、必要以上に煽りたてることで注目を集め、視聴率の向上を狙うという行動パターンからすれば、至極当然・容易に想像がつくもの。

もちろんこれが良いか悪いかは別問題で、マスコミ自身にとっては(短期的には)プラスであっても、当事者、つまり患者や医療機関にとってはマイナス以外の何物でもない。「彼らはそういうものだから」と諦めること無く、医療現場は最善を尽くしてほしいし、「彼らがどのような対応をし、彼ら自身の利益のために、自分たち(医療機関・医療関係者)にどんな貢献をしたのか、あるいはその逆の行為をしたのか」をよく記憶しておいてほしいものである。

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