販売促進効果がやや功を奏したがプラスには至らず…2009年9月度チェーンストア売上高、マイナス2.4%

2009/10/23 05:15

【日本チェーンストア協会】は2009年10月22日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2009年9月度における販売統計速報を発表した。それによると9月は販売促進効果がやや功を奏したものの、不景気下における消費者の購入マインドの低下を打ち消すまでには至らず、総販売額は前年同月比で10か月連続して下回る-2.4%という結果となった。9月は8月に続き食料品も2%近い下げを見せ、衣料品の売上減少と合わせ、全体の軟調さを改めて印象づける値が示されている(【発表リリース】)。

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今調査結果は協会加入の70社・8206店舗に対して行われている。店舗数は先月比で19店舗増、前年同月比で474店舗減。売り場面積は前年同月比101.7%と1.7%ほど増えている。今月も、店舗数が先月と比べればやや増えてはいるが、前年同月比では相当数減少しており、企業数が先月と変わらないことをあわせて考えると、先月同様に各企業で大規模な「店舗の閉鎖や統廃合」が起きている可能性が高い。また売り場面積が増加しているところを見ると、規模の拡大統合化(あるいは小規模店舗の閉鎖)を昨今の難局解決打開策と見ているフシがある。いわゆる「スケールメリットによる事態打開」か。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……1兆0080億7548万円
・食料品部門……構成比:64.7%(前年同月比98.2%、▲1.8%)
・衣料品部門……構成比:9.3%(前年同月比93.9%、▲6.1%)
・住関品部門……構成比:19.7%(前年同月比98.7%、▲1.3%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比100.2%、△0.2%)
・その他…………構成比:5.9%(前年同月比93.2%、▲6.8%)

食料品は先月同様に
小さいもののマイナスを記録。
衣料の売上前年同月比は
幅は大きいものの1ケタ台に。
先月よりはやや状況改善か。
9月は8月と比べて天候不順による影響が少なかったこと、プロ野球の優勝セールをはじめとした販売促進活動がプラスに働き、前年同月比のマイナス幅は少なくて済んだ。しかし不景気感の高まりを受けた生活防衛意識による買い控え、さらには商品単価の押し下げによる売上の減退など、複数のマイナス要因には勝てず、好ましくない状況は続いている。

具体的品目としては食料品はキャベツ・白菜などは好調だが、バナナ以外の果物は不調。畜産・水産品・惣菜は善し悪しまちまち。その他全体的には先月より「好調」の銘柄数が増えているようで、これが食料品部門における前年同月比が先月より改善された要因と思われる。

衣料品は気温の低さから秋物のスーツやジャケットが堅調。さらに低価格のジーンズや室内用衣服が伸びを見せ、先月2ケタ台のマイナスだった同項目の下落率を、1ケタ台に留めることに貢献している。住関品は新型インフルエンザの影響でマスクをはじめとした消毒液、風邪薬など医薬・化粧品の伸びが目覚ましいが、同時にそれがマイナスに働いているのか、行楽用品や旅行鞄の動きは鈍い。また、空気清浄機が好調なのも新型インフルエンザによるものと思われる。

9月は8月から大きく事態が動くこともなく、前年同月比のマイナスぶりは前月とさほど変わりが無い。各種キャンペーンのおかげで下げ幅はやや縮小し、サービス部門では久々にプラスを見せているが、難しい状況には違いない。「他の項目がマイナスでも食料品が唯一プラスで健闘し、全体の数字を押し戻している」状況くらいには戻ってほしいものだが。

冒頭で触れたように店舗数・売り場面積の動向から、不採算店舗(主に小型店舗)の整理統合や大型化による機能集約という形で、効率化を推し進めている傾向は継続中。上場企業のスーパーやデパートなどのプレスリリースを見ても、統廃合、さらには企業間の合併などいわゆる「業界再編」「(本当の意味での)リストラクチャリング」が進んでいることは間違いない。しかし面積あたりの売上高の回復もまだ見られず(前年同月比でマイナス3.4%)など、各種努力の成果はいまだ数字に表れていない。

1990年代以前のような好調さをスーパー・デパートが取り戻すには、消費動向に合わせた変革と共に、景気そのものの回復を待つしかないのだろうか。

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