子供手当、教育費・子供の将来のための貯金が6割強ずつ。しかし実際は……

2009/10/22 07:10

子供イメージマクロミルは2009年10月21日、子供手当と育児に関する調査結果を発表した。それによると、いわゆる「子供手当」の使い道は「子供の教育費」「子供の将来のための貯金」とする回答がほぼ同数で6割強に達していたことが分かった。年収の低い世帯では生活費の補てんに使う割合が増加しているなど、個々の世帯のお財布事情がすけて見える結果となっている(【発表リリース】)。

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今調査は2009年10月6日から7日の間にインターネット経由で既婚男女(学生除く)に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は464対536。年齢階層比は20代124・30代428・40代448。

2010年度から実施予定の「子供手当」について、その使い道を複数回答で尋ねたところ、もっとも多かった回答は「子供の教育費」で65.8%、ほぼ同数で「子供の将来のために貯金」が64.9%となった。

子供手当の使い道(複数回答)
子供手当の使い道(複数回答)

制度本来の目的は「子供の教育費」の補完であり、「子供の将来のために貯金」はやや道を外れた形となる。しかし実際には両者がほぼ同数の値を示しており、問題の一端を示しているともいえる。また、その2項目以外の選択肢はまったくの「目的外」のものであり、問題視されるべき数字といえよう(生活費の補てんは間接的に子供の教育費にプラスとなる、という考え方もあるが)。

世帯年収別でみると、上位二項目においては「子供の教育費」は800万円未満、「子供の将来のために貯金」は600万円未満がピークとなり、それ以上の年収世帯では減少の傾向を見せている。

子供手当の使い道(複数回答)(世帯年収別)
子供手当の使い道(複数回答)(世帯年収別)

気になるのは「日頃の生活費の補てん」。年収400万円未満世帯では他世帯と比べて突出した値を見せている。子供の人数までは考慮されたグラフでは無いが、生活そのものの厳しさから「なりふり構ってられない」という状況なのだろう。これを子供の人数別でみると、その状況がよく分かる。

子供手当の使い道(複数回答)(子供人数別)
子供手当の使い道(複数回答)(子供人数別)

子供の人数が多いほど「教育費」の割合が増え、「貯金」の割合が減る。貯金をする余裕も無いという解釈で間違いあるまい。一方、従来の目的とは異なる他項目の回答率も子供の人数と共に増加するのは、単純に金額が増加することによるものと思われる。

なお、これらの回答は「その項目に使うか使わないか」という二者択一でしかなく、具体的にどの程度の金額を回す予定なのかまでは問われていない。「回答率が子供の教育費と貯金で同数だから大体半々では」「他項目は少数派だから、ほとんど主旨通りに使われるネ」という推測を肯定しえないのが、次の設問と結果。「子供手当で生じる、子供にかける教育費に対する変化」を尋ねたところ、「増える」と回答した世帯は3割程度でしかなかった。つまり7割近くは「子供手当があっても教育費は増えない」と答えている。

子供手当で生じる子供にかける「教育費」に対する変化
子供手当で生じる子供にかける「教育費」に対する変化

「子供の教育費に充てる」という回答が65.8%もあるのに、実際に教育費が増えるのは3割と、やや矛盾した結果を見る限り、恐らくは大半が「(子供の将来のための)貯金」、あるいは「生活費の補てん」などに回される可能性を示唆していると見てよいだろう。



なお今調査結果はあくまでもインターネット経由で行われており、ITリテラシー・情報リテラシーを一定レベル以上持ち合わせている層による回答のものである。一部で懸念されている、「子供のためにならない」方面への手当の流用リスクが高いと思われる層は対象となっていない場合が多い。あくまでも参考データの一つとして眺めるべきなのかもしれない。また同時に行われる減税措置の廃止や増税で、家計全体として計算した場合「増税分をそのまま子供手当で補完」「子供手当以上に税負担増加」となる場合が多々に及ぶことをあらかじめ記しておく。

金銭という流動性の高いものによる「手当」より、例えば学校給食費への支援・地域振興券や図書券の配布など、他目的への流用がしにくいもので「支援」をすべきではないか、という話がある。生活費の補てんで間接的に教育費を支援するのなら、お米など食料品の現物支給という意見も耳にする。今回のデータを見る限りでは、それらの意見もあながち的外れではない気もするが、どうだろうか。

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