東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる(2009年10月22日版)

2009/10/22 07:09

インフルエンザ定点観測イメージ【東京都感染症情報センター】は2009年10月21日、同年第42週(10月12日-10月18日)時点での東京都内医療機関におけるインフルエンザ(季節性・新型双方合わせた)の疾病報告数定点観測データを公開した。報告数は前週と比べて上昇率こそ低下したものの増加傾向を継続しており、明らかに新型インフルエンザの感染が広まっていることが確認できる(【定点報告疾病集計表・週報告分データ】)。

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まずは感染症名を「インフルエンザ」(新型インフルエンザ+季節性インフルエンザ)に設定し、「5年間比」をクリックした上で「更新」をした結果が次のグラフ。

東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(今年・42週目までも含めた過去5年間)
東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(今年・42週目までも含めた過去5年間)

分かりやすいように増加傾向を見せ始めた今年の30週目以降(要は直近)を青丸で囲っている。過去5年間には無かった、夏季からの漸増傾向が確認できる。念のため過去データが用意されている1999年分までさかのぼってみたが、夏季のこの時期にこのような形を見せた前例はない。また今回計測週では今夏季における増加傾向期においては、先週の急増ペースと比べればやや大人しくなった感はあるものの、増加を続けていることに違いは無く、引き続き警戒を有する状況である。

グラフの両端、つまり冬季においては、毎年のグラフの山盛り部分の形や幅をみれば分かるように(そして通常のインフルエンザの流行に関する過去の記事【計測史上最速のインフルエンザ流行宣言】)にもあるように、各流行のインフルエンザウイルスのタイプや気象状況など複数の環境による、流行傾向(流行のピークや流行期間)差異がみられる。上限や横幅、山の形など多種多様だ。しかし夏場においては、これまで季節性インフルエンザが報告される傾向はほぼ皆無だった。今回上昇を見せているインフルエンザ報告例のほとんどは、「新型インフルエンザによるもの」と考えて間違いない。実際に国立感染症研究所の【発表データ】などを見ても、そのほとんどが新型インフルエンザによるものであることが確認できる。

各週の報告数全体における若年層の割合は、学校生活という特殊な(そして感染がおこりやすい)閉鎖環境で過ごす時間が長いことから、20代までが多い。しかしながら季節性インフルエンザと比べると、とりわけ10代の感染割合が多いのが気になるところ。

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-42週)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-42週)

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-42週、積み上げグラフ)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-42週、積み上げグラフ)

最新の2009年42週では、先週同様に9歳未満の患者数「割合」が増加、10-14歳はやや減少している。この4週間ほど9歳未満の報告数が増加を続けており、この年齢階層「だけ」を見れば季節性インフルエンザにおける傾向と同じように見える。しかし10-14歳・15-19歳の10代患者の割合の大きさは季節性とはかけ離れており、引き続き若年層への警戒を強化するべき状況を再確認させるデータとなっている。一方で患者数そのものは前週比で約1.2倍となり、大きな伸びを見せた先週と比べれば小さいものだが、依然増加を続けているのが分かる。

元々厚生労働省の流行シナリオは、乾燥時期の真冬に流行する季節性インフルエンザの流行パターンを、そのまま今年の夏季にスライドしたものであり、乾燥(≒インフルエンザの感染・拡散に大きく影響を及ぼす)については考慮されていない。仮に冬季の季節性インフルエンザと同じような感染傾向を見せるのなら、そろそろピーク時期を迎えるはずなのだが、そのタイミングは季節性インフルエンザの流行が始まる=乾燥度が高まる時期でもある。どのような動向を見せるか予想がつきにくく、継続しての注意が必要となる。

もちろん以前から繰り返し伝えているように、感染拡大の場となりやすい教育機関においては一人ひとりがうがいや手洗い、無用な人混みに足を運ぶことを避ける・マスクを欠かさない、十分な睡眠と栄養管理で身体の抵抗力を強固なものとしておく、体調不良時には「電話で連絡を入れて相談した上で」医療機関におもむくなど、季節性インフルエンザとほぼ同じ対応を「確実に行う」「繰り返し行う」ことの大切さを改めて強調しなければならないのは言うまでも無い。これらの対応で、感染拡大は最小限に抑えられる。学校で繰り返し、啓蒙を行うことが欠かせまい。また、いわゆる「ハイリスク者」に対しての気遣い・備えも十分以上に行わねばならない。


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