「相対的貧困率」について色々と考えてみる……(2)本当の「貧困」を世界と比べてみる

2009/10/21 17:18

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貧困イメージ厚生労働省から発表された「相対的貧困率」を元に、色々考えてみる特集記事その2。その1では発表データそのもののグラフ化と、「相対的貧困率」と「絶対的貧困率」の定義付けなどについて触れてみた。今記事では本当の「貧困」を示す「絶対的貧困率」を調べてみることにする。


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「貧困」というと少々インパクトが強いけど、本来の意味を考えたら「絶対的貧困率」の方が的確だよね……と思って色々調べてみたけど、あんまりこの値を調べた調査結果って無いんだな。説明にもあるように、主観が強く反映されかねないし、計測方法も難しいから、なかなか手がけられないのかもしれない。そこで、【日本は悲観するほど悪くない(東京イラスト写真日誌)】を参考に、少々古いけど国際的なデータGlobal Attitudes Projectのものを使ってみることにした。2002年発行の「The Pew Global Attitudes Project(2002.12)What the World Thinks in 2002」が元資料となっている、【データブック国際労働比較2009】【第9-5表(PDF)】をグラフ化したよ。これは「十分な所得がないために生活必需品を買うことができなかった回答者の割合」だ。

十分な所得がないために生活必需品を買うことができなかった回答者の割合(過去一年間にそういう経験があった人の割合)
十分な所得がないために生活必需品を買うことができなかった回答者の割合(過去一年間にそういう経験があった人の割合)

この7年間で欧米はずいぶんと不景気になったし、ロシアはジェットコースター的な好景気と不景気を体験など、各国は波乱万丈を迎えている。だからこの値がそのまま今でもストレートには通用するとは思えないけど、ずいぶんと参考になるんじゃないかな。先のマネックスの記事で指摘されてた「アメリカって思ったより貧富の差が激しいんだね」というのがここからも分かるね。

もちろん「他の国の事など関係無いよ」というツッコミもあると思うんだ。でも「貧困率」というように、題名部分で「相対的」を除いて書いて、「貧困」というキーワードをアジる報道も多いので、本当の「貧困率」に近い「絶対的貧困率」をイメージできるグラフは必要じゃないのかな。経年データがあるともっといいんだけどね。

(続く)

■一連の記事:
【「相対的貧困率」について色々と考えてみる……(1)発表データのグラフ化と二つの貧困率】
【「相対的貧困率」について色々と考えてみる……(2)本当の「貧困」を世界と比べてみる】
【「相対的貧困率」について色々と考えてみる……(3)「経済格差」って単なる格差なのかな】
【「相対的貧困率」について色々と考えてみる……(4)「経済格差」は「世代間格差」!?】


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