鉄スクラップの価格をグラフ化してみる(2009年10月19日版)

2009/10/19 07:02

鉄スクラップイメージ需要増加や投機マネーの流入を原因とし、資源価格が高騰した2008年前半-中盤の時期はいまだ記憶に新しい。あの当時はいわゆる「廃品回収車」も頻繁に走り回っていたもの。その後資源価格が急落し、かの車の掛け声も聞かれなくなったが、ここ一、二か月の間に、再び彼らの姿を見かけるようになった。また、原油価格も不気味な上昇を見せている。そこで今回は、【4か月で20分の1に! 鉄スクラップの価格をグラフ化してみる】のフォローアップ記事として、最新データによる鉄スクラップ価格などをグラフ化してみることにした。なお特記ない限り価格は1トンあたりのものである。

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今回も利用したデータは二か所からの抽出……と意気込み、データを調べようとしたのだが、鉄源(鉄を含む化合物の総称)関連の業界団体【日本鉄源協会】の関連データはこの1年の間にほとんどすべてが非公開化(正確には会員のみへの公開)されてしまい、当方ではグラフ作成・検証が不可能になってしまった。色々と事情があるのだろうが、極めて残念でならない。

そこでもう一つのデータ元、【日本鉄鋼新聞】によるグラフのみを更新生成することにした。過去の市中相場を月末値でダウンロード可能なので、ここから前回同様に「鉄スクラップ 特級H2」を抽出。これで鉄スクラップの動向を推し量れるはず。高値安値・東京大阪のデータが用意されているが、ここでは単純に東京の高値の値のみで月次の折れ線グラフを作成する。

スクラップ特級H2(トン当たり価格、東京高値のみ)(日本鉄鋼新聞)
スクラップ特級H2(トン当たり価格、東京高値のみ)(日本鉄鋼新聞)

スクラップ特級H2(トン当たり価格、東京高値のみ、2007年以降)(日本鉄鋼新聞)
スクラップ特級H2(トン当たり価格、東京高値のみ、2007年以降)(日本鉄鋼新聞)

1999年からのデータによるグラフを見ると、2008年の上昇ぶりがいかにバブル状態だったかがひとめでわかる。また今回は2007年以降の部分を切り抜きして併記したが、先の(2008年11月)記事での値がほぼ大底で、最近は2007年初頭の水準近くにまで価格を戻しているのが確認できる。

鉄スクラップイメージ鉄スクラップ価格の回復ぶりには、色々な理由が考えられる。単純に景気の回復基調によるもの(株価が戻していることや、【産業の活力が分かる、大口電力使用量をグラフ化してみる(2009年9月分)】でも触れているように各種産業の生産が回復のきざしを見せていることが裏付けになる)、資源に対する単純な需要の拡大や昨年秋の急落に対する純粋な反動、そして再び投機マネーが商品市場に投入され、価格を吊り上げているのではないかとする懸念。

単に「景気回復・需要拡大」により、需要と供給の原則から価格が上がっているのなら何の問題も無い。しかし昨年春以降の動向理由のように「株式など他の金融商品からの逃避が進み、その逃げ先として商品先物がターゲットになり、結果として商品価格が上昇する」のが原因だとすれば、株価上昇(昨年秋と比べて、の話だが)とは反して何かが起きている・市場関係者は何かを察していることになる。

どちらが正しいのかは、今回のグラフを眺めただけでは分からない。ただ現象として、鉄スクラップ価格は2007年の水準に値を戻しつつあるということだけだ。今後当方の自宅近所で「廃品回収車」の動きがより活性化した場合、あらためて動向を確認し、考察してみることにしよう。

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