「本当の」少子化対策が急務であることがひとめで分かる図

2009/10/18 09:41

世代を越えてイメージ政治的要因で最近特にスポットライトがあてられている「少子化対策・問題」だが、先日「このような興味深い図がある」というアドバイスをいただいた。しっかりとした裏付けのある機関発の(というより公的機関の情報を精査した)グラフなのだが、確かに興味深く、当記事題名にもあるように直観的に「少子化対策が急務であることがひとめで分かる図」に違いない。そこで今回はその図を紹介していくことにする。

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その図とは、【国立社会保障・人口問題研究所】発のもの。以前【日本の人口は2055年に8993万人へ減少、国立社会保障・人口問題研究所発表】でも紹介したように、国勢調査をはじめとした公的機関が調査データを精査分析し、色々なレポートを提示、各種政策などに役立てる素材を生成するシンクタンクの一つだ。そして研究所名から分かるように、同所では日本の人口そのものと、日本を支える社会保障に関する問題を主要探求テーマとしている。

今回紹介を受けた図は、その研究所サイトのトップページにリンクが貼られていたもので、「1930年から2055年までの、日本の人口ピラミッドの推移」をアニメ化したもの。

1930年から2055年までの、日本の人口ピラミッドの推移
1930年から2055年までの、日本の人口ピラミッドの推移(クリックで原寸・拡大表示)

年齢階層別に人口数をグラフ化した、いわゆる「人口ピラミッド」は上記リンク先記事や【50年前16.5人、今3.5人・高齢化社会を表す一つの数値】でも指摘されているように、高齢化の進行(医学や社会保障制度の充実、少子化など複数の要因を起因とする)により、従来のピラミッド型がら逆ピラミッド……高齢者が多く、若年層が少ない……状態になりつつある。現行の社会保障制度は「通常型ピラミッド」の人口構成を前提としているため、人口ピラミッドがいびつになればなるほど、社会保障制度にも無理が生じてくる。

アニメ化されたグラフを見ると、

・面積そのものは増加の一途をたどるが、2000年前後以降は減少している(総人口の減少)
・人口の一定数が確認できる年齢上限が上昇を続けている(医学の進歩)
・最多数年齢階層が少しずつ上昇を続けている(高齢化の進行)
・1960年以降、0-5歳の人口数が減少を続けている(少子化の進行)

など、現在日本が抱えている人口問題が、まさに言葉通り「ひとめで」分かる図となっている。

一部で話題の「子供手当が少子化対策になる」という話だが、実際には(扶養控除と配偶者控除が無くなるなど税制上の問題は脇に置くとしても)「現在の子供に対する」対策でしかなく、将来を見据えたものとしては優先順位は低い。優先すべき課題は「どうして少子化が進行しているのか」の原因究明と打開策を見出だすことであり、言い換えれば「少子化の問題を突き詰めて、その状況を改善すること」に他ならない。

必要なのは「現在への手当」以上に
「未来への投資・安心できる基盤整備」。
それにより特に若年層において
将来への不安が払しょくされ、
人口ピラミッドの「いびつ化」が
是正されるようになる。
若年層が晩婚化・未婚化する傾向が進行していること、そして結婚しても子供を創らない、作っても少子化傾向が強まっていることが、上記にある「人口配分のいびつ化」の原因。そしてその理由として男女の価値観の変化もあるが、それ以上に「子育てが安心して行える社会的・経済的基盤が整っていないこと」が最大の原因であり、解決しなければならない最優先事項であるといえる(このあたりは「国立社会保障・人口問題研究所」でもいくつかの裏付けとなるデータが提示されているので、機会があれば個別に図式化して資料化・紹介しよう)。見た目が目立つ「今現在へのばら撒き」よりも、手立てとしては地味で時間がかかるものの、将来を見据えた「未来へ向けた投資」こそが、重要といえる。……誰だって将来への不安度が高いほど、防御的・保守的になるし、出来るだけリスクを避けたいと思うでしょ?

「国立社会保障・人口問題研究所」がわざわざ同所のトップページからリンクする形で、このグラフを掲載したのは、その想いを一人でも多くの人に訴えたいのでは無いか、そんな気持ちにさえさせてくれるグラフといえよう。


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