円ドル為替相場の移り変わりをグラフ化してみる

2009/10/13 07:04

為替イメージ先に【日本の経済成長率をグラフ化してみる……(下)グラフ化とオマケ】で日本のGDPの推移をグラフ化したところ、早速意見が舞い込んできた。曰く「1985年前後の、対米ドル換算のGDP前年比の動きがおかしい。30%前後は異常値ではないか」というものだった。確かにグラフ生成時には再チェックを要する動きではあったが、為替そのものの変動を考えれば間違いでも無い。そこで今回は先の記事の補完の意味も兼ねて、円ドル為替相場の移り変わりをグラフ化してみることにした。

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データ取得元は【日本銀行の主要時系列統計データ(月次)】。今回はGDPと掛け合わせる必要はないので、月次ベースの値でグラフを生成する。用意されているデータは1980年1月-2009年9月のものなので、それをすべて反映させたのが次のグラフ。

円ドル為替相場(東京インターバンク相場、月末17時時点、1ドルにつき円)
円ドル為替相場(東京インターバンク相場、月末17時時点、1ドルにつき円)

ぱっと見で分かるのが、1985年-1988年にかけて猛烈な勢いで進んだ円高・ドル安。概算でも1ドルあたり100円ほど円高・ドル安が進行したことが分かる。先の「対米ドル換算のGDP前年比が約30%プラス/年」の時期とも一致しており、この時期の上昇率の大きな要因が、為替レートの急激な変動にあったことが確認できる。

そして、この「為替レートの急激な変動」の原因が、いわゆる1985年9月22日に発表された「プラザ合意」とその体制。簡単に箇条書きにまとめると、

・1980年代前半……アメリカは高金利、貿易・財政の「双子の赤字」状態。特に対日貿易赤字が大きい。
・「またドル危機が起きる!?(ニクソンショック)」……各国が協調して「円高ドル安」に誘導しようという流れ→「プラザ合意」(為替の協調介入)
・急速な円高ドル安(ドルの対円価値が下がる)が進行。「円高不況」を恐れ、日本では低金利政策が進む。

という形。いわば意図的に行われた為替の大規模な変動で、GDPが(米ドル換算で)急激に増えたように見えただけの話である。

先の記事でも触れたが、たとえ手持ちの商品・付加価値の額面評価が急激に上昇しても、それを買い取る相手がいなければ言葉通り「宝の持ち腐れ」となる。ネットワークゲームの「コンピューター側が操作する商人への商品売却」のように、作った商品をすべて買い取ってくれるわけではない。価値が高いように見えても、その商品自身が手元に残ったままでは何の意味も無い。「対ドル評価で30%/年もGDPが上がったから、アメリカから見ればもの凄い経済成長だね」と喜ぶのではなく、「為替変動で勝手に毎年30%も値段が上がっちゃって、商売がしにくくなったんだろうな」(実際には為替変動による対米ドルGDP評価のかさ上げは20%前後/年だろうが)と当時の人たちの苦労を偲ぶべきだろう。


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【円高になるとどんな良いこと・悪いことがあるのか再確認してみる……(3)円高デメリットの具体値と日本の努力】

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