日本の経済成長率をグラフ化してみる……(上)用語解説(2016年)(最新)

2016/12/04 05:31

日本自身の経年的、そして世界との経済上の比較を行う上で欠かせない指標の一つがGDP(国内総生産)と、その成長率を意味する経済成長率。各種考察の上でもよく引用される、非常に重要な数値のため、今回はこの値関連の記事を精査し直し、改めてその内容を確認することにした。

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用語解説……GDPとGNPとの違い


まずは簡単に用語解説。GDPとは「Gross Domestic Product」の略で「国内総生産」を意味する。これは一定期間内に国内で生み出された付加価値の総額。以前よく耳にしていたGNP(Gross National Product、国民総生産)との違いは、

GDP……国内で生み出された付加価値の総額

GNP……海外に住む国民の生産分も含めた付加価値の総額

である。かつてはGNPが良く用いられていたが(防衛費のGNP1%枠の話が好例)、GNPでは「国内」の生産量を正確に計れないため、最近ではもっぱらGDPが使われている。そしてシンプルにGDPの成長率イコール経済成長率と考えれば良い(後述するが概して実質GDPの値が用いられる)。

用語解説……名目GDPと実質GDPの違い


次に「名目GDP」と「実質GDP」の違いについて。GDPの変化は生産された付加価値の変化であり、経済の成長を表す。だが、そこには物価上昇も絡んでくる。例えば1年間に物価が2倍になれば、たとえ生産される付加価値の「物理的量」が同じでも、「金額上」の生産付加価値量は2倍になってしまう。

そこで「名目GDP」と「実質GDP」から成る二つの考え方が用いられる。「名目GDP」は物価変動の影響を受けたもの、「実質GDP」は物価変動の影響を除いて計算されたものである。

例えば自動車しか生産しない国を事例として考えてみる。ある年(基準年)は1万円の自動車を10台生産できた。この場合、名目・実質GDPは共に10万円。そして翌年、自動車を2倍の数、20台生産することができたとする。この場合、名目・実質GDPは共に20万円になる。実質GDPも物価変動が無いとの仮定なので、そのままイコールになることに注意。

物価変動が無ければ名目・実質GDPは同じ
↑ 物価変動が無ければ名目・実質GDPは同じ

もう一つの事例を想定する。同じ国で、ある年(基準年)からの1年間で大インフレが起き、生産される自動車の単価が2倍に跳ね上がったとする。そして生産台数は前年と同じ10台。この場合、名目GDPは20万円となり、やはり2倍に跳ね上がったことになる。しかし実質GDPはインフレの影響を排除することから、自動車の単価は1万円で計算するため、10万円のままに過ぎない。

↑ インフレが起きると名目GDPは跳ね上がるが、実質GDPはその影響を受けない
↑ インフレが起きると名目GDPは跳ね上がるが、実質GDPはその影響を受けない

要は、名目GDPが上昇する要因には「生産性の向上」以外に「物価が上昇する」要素もあることになる。実際にはどちらか一方のみではなく、双方が多数項目において複雑に作用するため、一概に「インフレが原因」「生産性向上が貢献した」のみとは言い切れない。また逆に、デフレが起きれば名目GDPは下がるものの、実質GDPはその影響を受けない。今件の事例なら、自動車の単価が1/2に落ちた場合、名目GDPは5万円になるが、実質GDPはやはり10万円のままとなる。



やや蛇足になるが、この考えを逆手に取り、「名目GDP÷実質GDP」を計算して求められた数字が「1」を超えた場合、状況として「物価上昇=インフレ」であることが分かる指標となる。この値を「GDPデフレーター」と呼んでいる。「名目>実質」ならインフレ、「名目<実質」ならデフレなわけだ(本当は基準年などの問題から、もう少し細かい計算が必要なのだが、概念が分かればそれで良しとしておく)。


■一連の記事:
【日本の経済成長率をグラフ化してみる……(上)用語解説(最新)】
【日本の経済成長率をグラフ化してみる……(下)グラフ化とオマケ(最新)】

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