【更新】シニア層の資産調査結果をグラフ化してみる

2009/10/10 09:51

高齢者とお金イメージクロスマーケティングは2009年4月13日、シニア層(高齢層)の資産調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、定年退職済み、あるいは間近にひかえたシニア層の平均「世帯資産」総額は2800万円あまりであることが分かった。退職金を取得した割合が多いと思われる60-64歳に限れば、この額は3000万円強にかさ上げされる。また、最多回答層は1000万円台だが、5000万円以上、1億円以上の層もそれなりに存在し、平均値を引きあげていることも確認できる([発表リリース、PDF])。

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今調査は2009年3月18日から19日の間にインターネット経由で50-64歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1200人。男女比は1対1で、年齢階層比は50-54歳・55-59歳・60-64歳で均等割り当て。インターネット経由の調査であるため、多少なりともデジタルメディアに精通した層を対象とした調査結果であることを前提としてデータを読む必要がある。

調査対象となった50-64歳というと、早い人では定年退職を迎えて退職金を手に入れており、そうでない人も退職間近でそれなりに金融資産を貯めている場合が多い。また、高齢者の金融資産保有額は【年齢階層別の金融資産保有割合をグラフ化してみる】【高齢者の貯蓄現在高の世帯分布をグラフ化してみる】で各種データと共に触れているように、国内経済の資金流動性問題と合わせ、大きな関心が寄せられている。

今調査によれば、回答者の「世帯」(世帯主だけでは無い)総資産額平均は約2822万円。当然ながら退職金をもらった人が多いであろう男性60-64歳になると1000万円ほど額が跳ね上がる。

「世帯」総資産額(万円)
「世帯」総資産額(万円)

ただし女性の場合は定年退職が早いからなのか、それとも世帯主(男性)と比べて回答者(女性)が若いからなのか、55-59歳の時点で退職金によるものと思われる跳ね上がり現象が見られる。

全体について各資産区分別の回答率も元資料にはあるのだが、「分からない/答えられない」という回答が年齢階層別で2割強-5割強を占めている。恐らくは「自分の金融資産をしっかりと把握していない」人、あるいは「額が大きくて情報がもれるのが怖い・小さくて恥ずかしい」人が多分にいるのだろう。データとしては雑多なものになってしまうので、「分からない/答えられない」の回答分を除外して比率を再計算したものが、次の図。

回答者世帯の資産総額(分からない/答えられないを除いた比率)
回答者世帯の資産総額(分からない/答えられないを除いた比率)

平均値が2820万円であるにも関わらず、最多回答層が1000万円台となっている。これは平均所得のからくりと同じで、高額資産保有者が全体の平均を押し上げているため。実際、2000万円未満で60.8%、平均値が収まる2000万円台未満で71.0%という計算。大体3割の人が、平均値を1000万円前後押し上げていることになる。

上記のグラフでは「退職金をもらった・もらっていない人」が混在しているので、退職金をもらっている人が多いであろう年齢層、「60-64歳」に限って男女別にグラフ化したのが次の図。全体平均と同じく、男性では2000万円台が最多回答層となっている。

回答者世帯の資産総額(分からない/答えられないを除いた比率)(60-64歳限定)
回答者世帯の資産総額(分からない/答えられないを除いた比率)(60-64歳限定)

一方女性は1000万円台が最多階層。ただし女性は平均値以上の階層、例えば7000-9999万円や3000万円、そして1.5-2億円の層で男性よりも大きく伸びているため、全体の平均としては男性とあまり変わらない値を示すことになる(上記グラフ参照)。



今調査別項目で語られているが(詳細は別の機会で記事化予定)、世帯資産をかさ上げする最大イベント「退職金」について、1000万-3000万円がボリュームゾーンである一方、100万円未満という回答も2割を超えていることが確認される。そして低退職金層の多くが、元々総資産額が低い傾向も見受けられる。

「高齢者はたくさんの資産を抱え込んでいる」というイメージがある。全体としてみればその認識に間違いはない。が、その一方で、実際には他の年齢階層同様に、「資産の偏り」が存在していることを改めて確認する必要があるだろう。

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