東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる(2009年10月8日版)

2009/10/08 07:55

インフルエンザ定点観測イメージ【東京都感染症情報センター】は2009年10月7日、同年第40週(9月28日-10月4日)時点での東京都内医療機関におけるインフルエンザ(季節性・新型双方合わせた)の疾病報告数定点観測データを公開した。報告数は前週から増加を見せ、先週が連休による減少であったことが確認できる(【定点報告疾病集計表・週報告分データ】)。

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まずは感染症名を「インフルエンザ」(新型インフルエンザ+季節性インフルエンザ)に設定し、「5年間比」をクリックした上で「更新」をした結果が次のグラフ。

東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(今年・40週目までも含めた過去5年間)
東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(今年・40週目までも含めた過去5年間)

分かりやすいように今年の30週目以降(要は直近)を青丸で囲っている。過去5年間には無かった、夏季からの漸増傾向が確認できる。念のため過去データが用意されている1999年分までさかのぼってみたが、夏季のこの時期にこのような形を見せた前例はない。また今回計測週では前回「今回当サイトで東京都の報告数を定点観測しはじめてから、初めて前週比で合計値が減った」とした傾向につき、初稿掲載後に読者から指摘があり追記した、「連休による報告数の減少」が改めて証明されたことになる。

グラフの両端、つまり冬季においては、毎年のグラフの山盛り部分の形や幅をみれば分かるように(そして通常のインフルエンザの流行に関する過去の記事【計測史上最速のインフルエンザ流行宣言】)にもあるように、毎年流行傾向(流行のピークや流行期間)に差異がみられる。上限や横幅、山の形など多種多様だ。しかし夏場においては、これまで季節性インフルエンザが報告される傾向は無かった。ここで上昇を見せているインフルエンザ報告例のほとんどは、「新型インフルエンザによるもの」と考えて間違いない。実際に国立感染症研究所の【発表データ】などを見ても、そのほとんどが新型インフルエンザによるものであることが分かる。

気になるのが、各週の報告数全体における若年層の割合。以前からお伝えしているように、通常の冬季流行時におけるインフルエンザの報告数の年齢階層比率と比べると、10代-20代の割合が多い。一方で(元々少なめなのだが)高齢者の報告数は極端に少ない。

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-40週)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-40週)

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-40週)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-40週、積み上げグラフ)

最新の2009年40週では、先週から転じて9歳未満の患者数「割合」がやや増加、10-14歳は大幅に増加、15-19歳は減少している。先週のデータが特異だったこともあり、週単位での変移による変化の判断はつきにくい。

元々厚生労働省の流行シナリオは、乾燥時期の真冬に流行する季節性インフルエンザの流行パターンを、そのまま今年の夏季にスライドしたもの。少しずつ乾燥度が高まる(≒インフルエンザの感染・拡散傾向が強まる)夏-秋の時期は想定されていない。今回、連休による報告数の減少といういわゆる「連休効果」以外に、前々週と比べても報告数が減少する傾向が確認されている。これが「全体的なピークを越した」のか、「小康状態」を見せているだけなのかは、現時点では断じることはできない。少なくとも季節性インフルエンザの流行が始まる11月中旬前後までは油断することはできない状態なのは、先週から変わらない。

もちろん以前から繰り返し伝えているように、感染拡大の場となりやすい教育機関においては一人ひとりがうがいや手洗い、無用な人混みに足を運ぶことを避ける・マスクを欠かさない、体調不良時には「電話で連絡を入れて相談した上で」医療機関におもむくなど、季節性インフルエンザとほぼ同じ対応を「確実に行う」「繰り返し行う」ことの大切さを改めて強調しなければならないのは言うまでも無い。これらの対応で、感染拡大は最小限に抑えられる。学校で繰り返し、啓蒙を行うことが欠かせまい。


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