【更新】新築か、それとも既存物件か……賃貸住宅会社の物件の増減をグラフ化してみる

2009/10/07 06:45

賃貸住宅の管理会社による協会「日本賃貸住宅管理協会」などは2009年7月9日、【賃貸住宅景況感調査日管協短観(pdf)】を発表した。ややデータは古め(といっても一応直近データ)ではあるが、賃貸住宅業界について「業者側からみた」さまざまな現状を確認できる貴重なデータが多数含まれており、参考になることが多い。今回はその中から、賃貸住宅管理会社が管理する物件が、新築か既存かについてグラフ化してみることにする。

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今調査は2009年4月1日から30日にかけて、紙面により協会会員に対して行われたもので、有効回答数は245社。回答対象期間は2008年10月1日-2009年3月31日についてのもの。なお項目の目安としては「増えた……+10%以上」「やや増えた……+5%」「変わりなし……プラスマイナスゼロ」「やや減った……-5%」「減った……-10%以上」である。

賃貸住宅の管理会社は、新築の物件、あるいは既存の物件について管理を受託し、その業務をとり行うことになる。賃貸住宅全体の需要が増えれば、新築物件を建造して管理数全体を増やし需要に応えねばならないため、一般的に「新規物件増」イコール「賃貸住宅の需要拡大」となる(老朽化などの理由で建て替えしなければならない既存物件が急激に増える場合もあるが、一般的ではない)。

直近データにおける新築物件と既存物件の仕入れ状況の変化については次のような結果になった。全般的には「新築が減少傾向」「既存が増加傾向」ということになる。

賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(2008年10月-2009年3月における、前年同期比で)
賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(2008年10月-2009年3月における、前年同期比で)

ただし首都圏・関西圏別にみると事情がやや異なる。首都圏では既存物件の増加回答が極めて多いが、同時に新築物件の増加と答えたところも多く、首都圏だけに限れば「新築も既存も管理受託数は増加」と見ることができる(もちろん既存物件の方がはるかに増加割合が大きい)。

一方関西圏は首都圏とは事情が大きく異なり、既存物件の受託数が大幅に増加する一方、新築物件の受託増加と答えた会社はかなり少ない。

この違いは「増えた派」から「減った派」を引いたDI値を算出すると良く分かる。

賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(2008年10月-2009年3月における、前年同期比で、増えた派-減った派)<br>
賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(2008年10月-2009年3月における、前年同期比で、増えた派-減った派)

首都圏は「新築物件」のDI値もかろうじてプラスを維持しているのに、関西圏では大きくマイナスを見せている。一方で「既存物件」は関西圏が首都圏を上回っていることが確認できる。賃貸物件については首都圏の方が新陳代謝が進んでいるのか、あるいは関西圏の方が物件のだぶつき現象が進んでいるのかもしれない。

毎月月末に更新している国土交通省の新設住宅戸数などのレポート(最新は【2009年8月の新設住宅戸数、前年同月比38.3%減】)でも時々触れているのだが、新設住宅戸数(のうち貸家)は首都圏よりも中部・近畿圏の方が下げ幅が大きい。この値と合わせて考えると、だぶつきか否かは別として、関西方面では賃貸住宅の新築ニーズは首都圏ほど高くなく、それゆえに管理会社が受託する数も少なくなっていると見てよさそうだ。

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