【追記あり】東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる(2009年10月1日版)

2009/10/01 07:37

インフルエンザ定点観測イメージ【東京都感染症情報センター】は2009年9月30日、同年第39週(9月21日-27日)時点での東京都内医療機関におけるインフルエンザ(季節性・新型双方合わせた)の疾病報告数定点観測データを公開した。報告数は前週から減少している様子が確認できる(【定点報告疾病集計表・週報告分データ】)。

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まずは感染症名を「インフルエンザ」(新型インフルエンザ+季節性インフルエンザ)に設定し、「5年間比」をクリックした上で「更新」をした結果が次のグラフ。

東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(今年・39週目までも含めた過去5年間)
東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(今年・39週目までも含めた過去5年間)

分かりやすいように今年の30週目以降(要は直近)を青丸で囲っている。過去5年間には無かった、夏季からの漸増傾向が確認できる。念のため過去データが用意されている1999年分までさかのぼってみたが、夏季のこの時期にこのような形を見せた前例はない。また今回計測週では今回当サイトで東京都の報告数を定点観測しはじめてから、初めて前週比で合計値が減ったことが確認できる。

グラフの両端、つまり冬季においては、毎年のグラフの山盛り部分の形や幅をみれば分かるように(そして通常のインフルエンザの流行に関する過去の記事【計測史上最速のインフルエンザ流行宣言】)にもあるように、毎年流行傾向(流行のピークや流行期間)に差異がみられる。上限や横幅、山の形など多種多様だ。しかし夏場においては、これまで季節性インフルエンザが報告される傾向は無かった。ここで上昇を見せているインフルエンザ報告例のほとんどは、「新型インフルエンザによるもの」と考えて間違いない。

そしてさらに気になるのが、各週の報告数全体における若年層の割合。以前からお伝えしているように、通常の冬季流行時におけるインフルエンザの報告数の年齢階層比率と比べると、10代-20代の割合が多い。一方で(元々少なめなのだが)高齢者の報告数は極端に少ない。

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-39週)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-39週)

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-39週)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-39週、積み上げグラフ)

最新の2009年39週では、先週に続き9歳未満の患者数「割合」がやや減少し、15-19歳・20代の層の増加が確認できる。低学年の予防が徹底されてきた成果なのか、低学年よりも抵抗力の強い高学年にも感染が広まりつつあるのか、判断はつきにくい。

また冒頭でも触れたように、39週では先週比の合計値が大幅に減少しているのが確認できる。【年内約2550万人・ピーク時で76万人/日が発症・新型インフルエンザの流行シナリオを確認してみる】でも解説している、厚生労働省発表の流行シナリオと比較するとピークに達するにはまだ早い感もあるが、直近では山場を越した可能性がある。一方であくまでも小康状態でしかなく、今後再び増加傾向を見せる可能性も否定できない。

元々厚生労働省の流行シナリオは、乾燥時期の真冬に流行する季節性インフルエンザの流行パターンを、そのまま今年の夏季にスライドしたもの。少しずつ乾燥度が高まる(≒インフルエンザの感染・拡散傾向が強まる)夏-秋の時期は想定されていない。このまま減少傾向を見せ沈静化してくれれば御の字だが、少なくとも季節性インフルエンザの流行が始まる11月中旬前後までは油断することはできない。

もちろん以前から繰り返し伝えているように、感染拡大の場となりやすい教育機関においては一人ひとりがうがいや手洗い、無用な人混みに足を運ぶことを避ける・マスクを欠かさない、体調不良時には「電話で連絡を入れて相談した上で」医療機関におもむくなど、季節性インフルエンザとほぼ同じ対応を「確実に行う」「繰り返し」ことの大切さを改めて強調しなければならないことは言うまでも無い。これらの対応で、感染拡大は最小限に抑えられる。学校で繰り返し、すべての生徒の耳に大タコが出来るくらいの啓蒙を行うことが欠かせまい。

※10/1追加
対象期日中に祝祭日による連休(21日-23日)が入ったため、それが診察日の減少と報告数の低下をもたらした可能性があります。次週の定点報告時の結果が出次第、この推論についても考察します。その場合、今回計測週は「低下」「小康」状態では無いことになります。掲示板でのご指摘ありがとうございました>>pongchang様


■関連記事:
【年内約2550万人・ピーク時で76万人/日が発症・新型インフルエンザの流行シナリオを確認してみる】
【南オーストラリア州の(新型)インフルエンザの感染拡大グラフを検証してみる】

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