東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる(2009年9月26日版)

2009/09/26 08:44

インフルエンザ定点観測イメージ【東京都感染症情報センター】は2009年9月25日、同年第38週(9月14日-20日)時点での東京都内医療機関におけるインフルエンザ(季節性・新型双方合わせた)の疾病報告数定点観測データを公開した。報告数は前週から大きく増加している様子が確認できる(【定点報告疾病集計表・週報告分データ】)。

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まずは感染症名を「インフルエンザ」(新型インフルエンザ+季節性インフルエンザ)に設定し、「5年間比」をクリックした上で「更新」をした結果が次のグラフ。

東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(今年・38週目までも含めた過去5年間)
東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(今年・38週目までも含めた過去5年間)

分かりやすいように今年の30週目以降(要は直近)を青丸で囲っている。過去5年間には無かった、夏季からの漸増傾向が確認できる。念のため過去データが用意されている1999年分までさかのぼってみたが、夏季のこの時期にこのような形を見せた前例はない。また今回計測週では先週以上に、上昇のカーブが上向きになったことも分かる。

グラフの両端、つまり冬季においては、毎年のグラフの山盛り部分の形や幅をみれば分かるように(そして通常のインフルエンザの流行に関する過去の記事【計測史上最速のインフルエンザ流行宣言】)にもあるように、毎年流行傾向(流行のピークや流行期間)に差異がみられる。上限や横幅、山の形など多種多様だ。しかし夏場においては、これまで季節性インフルエンザが報告される傾向は無かった。ここで上昇を見せているインフルエンザ報告例のほとんどは、「新型インフルエンザによるもの」と考えて間違いない。

そしてさらに気になるのが、各週の報告数全体における若年層の割合。以前からお伝えしているように、通常の冬季流行時におけるインフルエンザの報告数の年齢階層比率と比べると、10代-20代の割合が多い。一方で(元々少なめなのだが)高齢者の報告数は極端に少ない。

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-38週)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-38週)

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-38週)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-38週、積み上げグラフ)

最新の2009年38週では、9歳未満の患者数「割合」がやや減少したものの、10-14歳の報告数・全体に占める割合が増加しているのがわかる。この傾向は2、3週間前から見られたもので、新学期が始まって登校を始めた小学生や中学生がクラス内で感染し、潜伏期間を置いて発症・報告された可能性がある。

今回のデータから断定はできないものの、学校経由での感染拡大の可能性が認識される。一人ひとりがうがいや手洗い、無用な人混みに足を運ぶことを避ける・マスクを欠かさない、体調不良時には「電話で連絡を入れて相談した上で」医療機関におもむくなど、季節性インフルエンザとほぼ同じ対応を「確実に行う」「繰り返し」ことの大切さを改めて強調しなければならない。これらの対応で、感染拡大は最小限に抑えられる。学校で繰り返し、すべての生徒の耳に大タコが出来るくらいの啓蒙を行うことが欠かせまい。

37週は36週と比べ、患者数の増加割合がやや大きくなった感がある。これは毎冬に発生する季節性インフルエンザの流行過程と同じような傾向であり、さらに前述した「新学期の開始」という要素も合わさった結果なので、慌てる心配は無い(「新型だから急増した」ということではない)。「新型」でまだワクチンが提供されていないとはいえ、「低病原性」であることに違いは無く、必要以上に不安になることも無い。季節性インフルエンザへの「正しい」対処法+α方法を確実に順守させるよう、子供たちに働きかけると共に、自らも実践することを心がけよう。


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