本を読む時間はどれほど変わったか、 実は若年層より……

2009/09/20 11:10

高齢者の読書イメージ楽天リサーチと楽天ブックスは2009年9月14日、読書・図書に関する調査結果を発表した。それによると、この2-3年で書籍や雑誌を読む時間が減った人は4割以上に及んでいることが分かった。増えた人は1-2割ほどで、全体的には紙媒体を用いた読書時間が減少している傾向にあることが分かる。また、性別・年齢階層別にみると、特に書籍において若年層よりも中堅・高齢者の方が減少傾向が著しいことも明らかになった(『発表リリース』)。

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今調査は2009年8月31日から9月1日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。男女比は1対1、年齢階層比は10代から60代(10代は15歳以上)で均等割り当て。

インターネットの普及などで「若年層の活字離れ」が世間一般に騒がれて久しい。それでは今現在と2-3年前とを比べ、書籍や雑誌を読む時間はどのように変化しただろうか。感覚的に減ったか増えたかについて5段階で答えてもらったところ、雑誌・書籍とも「減った」と認識する人が4割を超える結果となった。

2-3年前と比べた書籍・雑誌を読む時間の変化
2-3年前と比べた書籍・雑誌を読む時間の変化

別機関の調査結果(【本を読まない理由は意外にも「ネットの方が面白い」以上に……】【時間が無い それでもテレビに音楽に ケータイ使って 多忙な子供ら】など)にもあるように、テレビや新しいメディアに割く時間を抽出するため、本を読む時間を削る傾向があるのは否めない。今調査では変化した理由までは尋ねていないが、それでも多くの人が雑誌・書籍への時間を減らしているのが分かる。

雑誌:男性は歳を重ねるごとに、女性は30-40代で激減
それでは種類別に傾向を確認してみよう。まずは雑誌。階層別の分布以外に、読む時間のDI値を算出する。これは「増えた派」から「減った派」を引いたもので、この値が大きいほど「読む時間が増えた」ことを意味する。マイナスなら「読む時間が減った(人が多い)」わけだ。

2-3年前と比べた雑誌を読む時間の変化
2-3年前と比べた雑誌を読む時間の変化

年齢階層・性別「2-3年前と比べた雑誌を読む時間の変化」DI値(増えた派-減った派)
年齢階層・性別「2-3年前と比べた雑誌を読む時間の変化」DI値(増えた派-減った派)

男性は全体的に減少傾向。しかも歳を重ねるごとに減る割合が増加。60代では半数が「時間が減った」と答えている。興味深いのは女性で、10代は逆に増加傾向を見せている。そして20代以降になると一転して減少を見せ、その割合はほぼ横ばい。30-40代でピークを迎え、60代で再びやや読まれるようになる。

このように男女で大きく違う傾向を見せるのは、例えば「女性の方が携帯電話に費やす時間が長くなったから」など、男性・女性それぞれの時間配分に対する考えが違うのが原因なのだろう。

書籍:男女ともに「時間減少は歳につれて」
続いて書籍。DI値の計算方法などは雑誌と同じ。

2-3年前と比べた書籍を読む時間の変化
2-3年前と比べた書籍を読む時間の変化

年齢階層・性別「2-3年前と比べた書籍を読む時間の変化」DI値(増えた派-減った派)
年齢階層・性別「2-3年前と比べた書籍を読む時間の変化」DI値(増えた派-減った派)

歳を重ねる毎に「減った派」が増える傾向は雑誌と変わらない。DI値のマイナスへの触れがやや雑誌より小さいのは、「増えた派」の割合が雑誌よりも多いため。

年齢階層別でみると、男性は10-20代がほぼ横ばい、その後一挙に減少傾向が加速化しているのが分かる。これは「増えた派」が激減するとともに、「増えた派」が漸増しているため。

他方女性は30代が減少におけるピークで、40代以降はほぼ横ばいで推移している。「減った派」だけを見ると40代がもっとも多い。育児にかける時間が増えて(最新情報を入手できる)雑誌はともかく、(文学などの)書籍に目を通す時間を持つことが難しくなったからだろうか。



雑誌・書籍の読書が減少する理由はいくつも考えられる。前述したように「(他の用事、他のメディアでの読書に時間を費やしているので)本を読む時間がもったいない」以外に、「本を買う金銭的余裕があまり無くなった」「本が面白くなくなった」「近所で買える場所が無くなった」など、複数の要因が想定される。あるいは今回の結果、つまり紙媒体を用いた読書時間が減少しているのは、これら複数の要因が相乗効果的に作用した結果なのかもしれない。

もちろん今調査がインターネット経由によるものなので、多少の「ネットバイアス」は否定できず、世間全体の傾向から見れば、もう少し読書時間の減少傾向は穏やかなものの可能性もある。しかしそれでも減少傾向そのもの、そして「少なくともインターネットを活用している人たちが本を読む時間を大きく減らしている」ことは否定できまい。

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