9月15日のニュース

2009/09/17 08:02

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ニュースイメージ当方の巡回サイトの一つ、【masayangの日記】に、興味深いニュースが掲載されていた。タイトルは「History rhymes」。「歴史は繰り返す」とでも訳すのだろうか。【元記事として紹介されていた、9月15日付けのthe Wall Street Journal】【直接の元ソースであるMarket Commentary】の概要を訳すと次のようになる。


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・産業界の重鎮が米大統領の指示により政府高官と会談。卸売物価を安定させ経済回復を手助けするために、原材料を時価で購入する合意に達する。
・原油生産の調整を検討。生産過剰は価格の無意味な下落などをもたらす。
・銀行重役の対談が開催予定。銀行への課税問題について。
・楽観主義者的な証券会社、一般ビジネスマン、そして大衆までもが株式市場の先行きに強気見通し。証券会社の75%以上は「買い推奨」。
・1年満期の米国債は4倍以上の競争率で完売。
・FEDは経済が回復した際に急に金利引き締めをしなければならない事態に陥るのを避けるべく、近いうちに低レベルでの引き締めを行う見通し。
・不動産ブームの崩壊でデフォルトしたフロリダ州の債券保有者に対する返済方法について。
・昨年の暴落を予想した経済学者Roger W. Babson氏が、注文が殺到することによる急激な経済回復を示唆。
・鉄鋼生産量の低下を根源とした「市場弱気派」と、小売や企業の先行き展望、テクニカル的な面での「市場強気派」との議論の展開。
・「株式市場が景気を数か月先取りする」という通説(「株は景気先行指標」)のもとに、経済の回復が確実であること、冬に向かって景気が持ち直すのは間違いない。

……さて。

これらの内容についてだが、記事タイトルであえて「9月15日のニュース」としたことや、リンク先の内容、そして概要文内での一部違和感などで気がついた人も多いだろうが、これは2009年今年では無く、1930年9月15日(前後)のニュース。1930年といえば、世界大恐慌のきっかけとなった暗黒の木曜日・1929年10月24日の翌年に当たる。なんと今現在の状況に類似していることか。

1929年9月から1935年7月までのダウ平均推移
1929年9月から1935年7月までのダウ平均推移

元記事などでも指摘されているが、まる写しのコピーを反復するのではなく似て非なるものの繰り返しを意味する「rhymes」(「韻を踏む」)がタイトルに用いられているように、そのまま同じような状況になることはまずありえない。経済構造や情報伝達スピードはまるで別世界のようであるし、金本位制であるか否かなど、通貨に対する仕組みも別物に近い。そのような環境下で同じことが起きるリスクは決して高くない。

しかしその一方、「歴史は繰り返す、されど同じ輪にあらず」の言葉にもあるように、言い換えればまるでスプリングを上から眺めた状況のように、似たような事象が反復される可能性も否定できない。

人は過去に学び、現在を耕し、未来を創る。決して過去を反復して未来を作るわけではない。どのみち未来を「つくる」のならば、過去の経験を活かしてそれにとらわれず、新しい未来を「創り」たいものだ。


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